国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が公募するさくらサイエンスプログラム(https://ssp.jst.go.jp/)に採択された「SDGsに貢献する先端アグリサイエンスとアグリビジネスの融合」により、3月1日~10日にジョモケニヤッタ農工大学(JKUAT)から短期受入学生9名と引率者Ms. Naomi Chelimo Ketterが来日しました。招へい学生はUU-Aの「Global Management」で優秀な成績を修めた者を選抜し、その日程は次のようでした。
2月29日(木):
ナイロビから空路出発し、3月1日(金)に成田空港着。宇都宮へ移動。
2日(土)午前:
世界展開力で招へいした教員・学生と一緒にオリエンテーション
山根農学部長が宇都宮大学の概要を説明
2日(土)午後:
バイオサイエンス教育研究センターで最先端の遺伝子解析機器や遺伝子組換えメダカなどを見学
(左上)山根農学部長のご挨拶と宇大紹介
(右上)バイオサイエンス教育研究センター見学の集合写真
(下)バイオサイエンス教育研究センターの最先端の遺伝子解析装置や成分分析装置に興味津々
3日(日)午前:
世界展開力で招へいした教員・学生と一緒に宇都宮大学農学部付属船生演習林を見学し、大島博士の講義「宇都宮大学での持続的林業生産」を拝聴
「道の駅」で昼食。アグリビジネスの最前線を見学
3日(日)午後:
日光で東照宮を見学し、日本の歴史を学び、日光の自然に触れ、観光と農業のコラボレーションについて考える。
演習林で循環型林業やシイタケ栽培、モグラの害などを見学し、道の駅と東照宮を見学
4日(月)午前:
事務手続きに続き、黒倉博士の講義「農作物のゲノム編集と品種改良」を拝聴
4日(月)午後:
実験:ゲノム編集トマトとその元になった品種で本当に栄養成分(GABA)がアップしているのか調べる。夕方、UU-A学生サミット2024開会式に出席。
黒倉先生のゲノム編集の講義を聴き、ゲノム編集トマトでGABAの含有量が10倍以上になっていることを確認
5日(火)午前:
宇都宮大学農学部付属農場の見学。池田博士の講義「タマネギの生産性を遺伝子解析で解き明かす」を拝聴
5日(火)午後:
実験で、タマネギの肥大に関わる遺伝子の発現を検定するために、タマネギからRNA抽出と逆転写PCRを行う。
池田先生のタマネギ栽培と農場の概要の講義を聴き、農場内を見学。その後、さくらサイエンスのJKUATの学生はタマネギの葉からRNA抽出とRT-PCR反応の実験を行う。
6日(水)午前:
世界展開力で招へいした教員・学生と一緒に学長表敬訪問後、煉谷博士の講義「植物病の診断と検出」を拝聴
6日(水)午後:
実験「植物ウイルスの遺伝子検出」 アフリカでも広く発生しているキュウリモザイクウイルスをPCR法およびウイルスタンパク質検出法で検定。
池田学長を表敬訪問。その後、煉谷先生の植物病原の検出法に関する講義を聴き、JKUATの学生はウイルス感染葉からRNA抽出とタンパク質の検出実験を行った。
7日(木)午前:
夏秋教授の講義「農作物の病害を防除するワクチンの開発」を拝聴
園田教授の講義「害虫の殺虫剤抵抗性の現状とメカニズムを知る」を拝聴
7日(木)午後:
実験で、植物ウイルスのタンパク質の検出、ウイルスのRNAの検出、タマネギのRNAの検出を行う。
園田先生の害虫防除の講義を聴き、その後、煉谷先生と池田先生のRNA検出の実験で電気泳動の実験を行った。合間に、日本農業新聞の記者の取材を受けた。
8日(金)午前:
ここまでの研修内容を取りまとめてラップアップミーティングの発表用資料を作成する。また、同時期にオンデマンド開催されている「学生サミット」にアクセスし、チャット形式で発表者との質疑に参加する。
8日(金)午後:
本学の教員・大学院生や世界展開力で招へいした教員・学生との交流、ラップアップミーティング成果発表会および意見交換会
Student Summit 2024 閉会式・授賞式 意見交換会にも参加。
本プログラムの成果報告会である「Wrap-Up Meeting of Sakura Science Program」でさくらサイエンスプログラムで招へいしたJKUATの学生9名と引率教員のMs. Naomi Ketterの発表動画はこちら。発表のPDFはこちら。
3月8日(金)は昨夜の雪で構内はうっすらと雪化粧しており、朝早く来た学生は雪景色を楽しめた。
午後はさくらサイエンスプログラムの成果報告会と学生サミット2024の閉会式があり、JKUATの学生はパワーポイントで宇都宮大学での体験を報告した。
JKUATの1名の学生は学生サミット2024で優秀発表賞を授与され、挨拶をした。
9日(土)午前:
世界展開力で招へいした教員・学生と一緒にアグリステーション誠和の見学:最先端の施設園芸を見学し、総合科学としてのアグリサイエンスを生かした生産現場を学ぶ
9日(土)午後:
益子イチゴ団地の見学:日本一の生産量を誇る栃木県のイチゴ栽培技術と観光が融合したアグリビジネスの現場を学び、イチゴを食べる。
10日(日)午前:
東京へ移動し、日本科学未来館見学後、成田空港から帰国の途に。
11日(月):
アジスアベバ経由でナイロビに到着。
付記:日本農業新聞3月9日(土)北関東版に本プログラムの紹介記事が掲載されました。